評価指標
研究に関連してさまざまな評価指標があります。ジャーナルの購読や投稿を検討するうえでの参考になります。また競争的資金申請時に利用できる根拠データの一つともなります。さらに国レベルの動向として、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」や「科学技術指標」においても複数の指標を用いて分析が行われています。
ここではおもに、本学で購読しているデータベース・Scopus(スコーパス) に掲載されている指標を中心に整理します。
- ジャーナルについての評価指標
- 論文についての評価指標
- 著者についての評価指標
- 新しい評価指標・オルトメトリクス
※指標を引用する際には使用したデータベース名および使用年月日を一緒に記載するとよいでしょう。
1. ジャーナルについての評価指標
Scopusにはジャーナル評価指標がいくつか掲載されています。ジャーナルの購読や投稿をお考えの際に、お役立て頂けます。
データベース→scopus→収録誌→右端の矢印をスクロール
指標名 | 概念 | データソース | 開発者 | アクセス |
① SCImago Journal Rank (SJR) スキマーゴ・ジャーナル・ランク | 引用元のジャーナルの評判によって、引用に重み付けをし、分野間の補正をした数値。 | Scopus | SCImago Research Group (Spain) | Scopus, SCImago Journal and Country Rank |
② Source Normalized Impact Per Paper(SNIP) ソース・ノーマライズド・インパクト・パー・ ペイパー | 分野による引用のされやすさの違いを考慮して、被引用率を補正することにより、分野間のジャーナルの比較を可能とした指標。 | Scopus | Center for Science and Technology Studies (CWTS) at Leiden University | Scopus |
③ CiteScore サイトスコア | あるジャーナルで4年間に文献(論文、レビュー、会議論文、書籍の章、データペーパー)が引用された回数を、その同じ4年間に発行されてScopusでインデックスが付けられた同じ文献タイプの数で割ることによって算出する。異なる分野間での比較には使えない。 | Scopus | エルゼビア社 | Scopus |
2. 論文についての評価指標
Scopusには論文に関する指標もいくつか掲載されています。論文タイトルをクリック→「全指標を表示」
指標名 | 概念 |
Citation 被引用数 | この文献がScopusで引用された合計回数 |
Field-Weighted Citation Impact (FWCI) | 類似の論文(同じ分野、出版年、文献タイ プ)と比較してどの程度引用されたかを示します。EWCIが1とは、その論文が世界平均とちょうど同じだけ引用されていることを意味します。 |
Citation benchmarking 被引用ベンチマーキング | 類似の文献と比較してどの程度その文献が引 用されたかを示します。パーセンタイル80であれば、トップ20%であることを示します。 |
3. 著者についての評価指標
Scopusにおいて「著者名」で検索すると、文献数、被引用数、h-index などが表示されます。
【h-index】
2005年に物理学者J. E. Hirschが提唱したもので、広く知られています。h回以上引用された論文がh件あることを示します。たとえば、5回以上引用された論文が5編ある場合、その研究者のh-indexは5となります。
J. E. Hirsch,An index to quantify an individual‘s scientific research output,Proc. Natl. Acad. Sci .U S A. 2005 Nov 15; 102(46): 16569– 16572 . https://doi:10.1073/pnas.0507655102
4. オルトメトリクス
“オルトメトリクス(Altmetrics)とは、 alternativeとmetricsを組み合わせた造語で、ソーシャルメディアを活用して研究成果のインパクトを「論文レベル」でリアルタイムに計量化する、 新たな研究評価指標である”*
*坂東慶太,Altmetricsの可能性 ソーシャルメディアを活用した研究評価指標,情報管理,2012, vol.55 nol.9, 638-646
ここでは以下の2点に触れます。
①オルトメトリクス指標 PlumX (プラムエックス)
Scopusに掲載されている指標で、論文タイトル→「全指標を表示」で表示。
従来のビブリオメトリクス的指標(利用統計、 被引用回数)と、新たなオルトメトリクス指標の両方を分析対象としているもので、エルゼビア社のScopusやScienceDirectなどで用いられています。

指標を5つのカテゴリーに色分けし,そのインパクトを円の大きさで表しています。

②オルトメトリクス指標 Altmetric(オルトメトリック)

以下のようなデータを対象に評価指標を計量化し、色分けしたもの。表示形はいくつかあるが、特徴あるドーナツ型のグラフがよく見られます。Nature各誌, Wiley Online などに採用されています。
F1000によるピア・レビュー / Wikipediaでの引用 / メディアでの取扱い/ Mendeleyなどのブックマーク / Twitterでの言及など
お問い合わせ先
リンク:お問い合わせ