図書館長から

 AIの利活用はここ数年で加速しており、画像・音声認識、システム制御に始まり、生成系AIに分類される人間の知的活動を模したAIが日常生活に当たり前に入ってきています。そのような世の中において「文献を読んで知識を蓄積する」という行為がどのような意味を持つのか、我々人間の側があらためて考える時期に来ていると言えます。

 生成系AIが正しく情報を提供しその情報をうまく利用するには、「ドメイン知識」と呼ばれるその分野の専門知識が必要です。科学・工学の分野においてはこれが鍵であり、AIに使われるのではなく、AIを使いこなして研究を進めるには、やはり自分自身が正しくその専門知識を身につけておく必要があります。また、日常生活においては一般常識やその地方ならではのルール等がドメイン知識にあたり、AIに近所のレストランを提案して欲しいのに適切なものが出てこない、というのもこのドメイン知識の重要性を示しています。

 さて、そんな時代の中で図書館の役割を考えると、その重要性が見えてくるのではないでしょうか。図書館の蔵書は一冊一冊がある文脈で綴られた「ドメイン知識」の一片を成しています。それらを系統的にかつ網羅的に取り揃えているのが図書館になります。

 本学の図書課は閲覧室、コミュニケーションホール共に比較的余裕を持って作ってあります。ゆったりした空間で、お気に入りの一冊から始めて知識の鎖を繋いでいくことで、自分オリジナルの「ドメイン知識」を育ててください。そうすれば、AIを使いこなす側で学術・研究を進めることができると期待しています。

 みなさんの知識を育てる、そんな図書館を目指していきます。

 北見工業大学副学長・図書館長 升井 洋志

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